うつくしいひと/うつくしいひと サバ?
2016年・85分・ドラマ
監督:行定勲
主演:高良健吾
熊本の魅力を伝える映画を作りたいと、蒲島県知事と行定監督との会談からこの映画の企画が生まれたそうです。
2016年の熊本地震前に撮られた「うつくしいひと」
そしてその続編となる「うつくしいひと サバ?」は被災後のありのままの熊本が撮影されています。くまもと復興映画祭でプレミア上映された作品です。
■うつくしいひと
⚠以下ネタバレあります
私立探偵の玉屋末吉の元に二人の依頼者が現れます。依頼は県をも揺るがしかねない極秘事件です。
一方、大学生の透子がバイトする本屋に一人の中年紳士が現れ、おススメの本を尋ねる。悩む透子を見つめる男性。男性はホイットマンの詩「若い女は美しい。でも年老いた女はもっと美しい」を残す。
同じ日、透子の母が怪しい男につけられているという話を友達に聞き、透子は華道の師範である母のもとを訪ねます。ふと庭先を見ると男性が母を見つめています。
透子は探偵玉屋末吉に男性について調べてほしいと依頼します。
男性は何者?
私的見どころ
全身黒を身に着けている人は怪しいと言いながら黒い服で現れる探偵
〇〇〇ン捕獲
深い緑の山をバックに踊る赤と黒の衣装の人々
少年時代の自分と目があうシーン、笑顔で走り出す少年
私的推しセリフ
「黒かとば着とって、全身黒かったい」「そら怪しか」
「一瞬の出来事が一生相手の心に残るかもしれない」
「ほったらかしにした心を覗くような気持ちになりましてね」
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熊本出身の私的には、熊本弁を話す高良くんや橋本愛ちゃんを見て、あら♡私って高良君や橋本愛ちゃんと一緒やん♡って勘違いしそうでしたw
ただねー、いくら誠実そうで安全そうな紳士でもついて行っちゃいけないよー透子ちゃん!!!ましてや車で移動なんて。っていうのが第一声。 知能犯は見た目は誠実で清潔で丁寧で本当優しい。気を付けないと!!ま、知りたいという興味もあり、直感で大丈夫って思ったんでしょうがね。
■うつくしいひと サバ?
⚠以下ネタバレあります
私立探偵の玉屋末吉の友達田上くんが、被災地で一人のフランス人が迷っているのを見つけ、玉屋に会わせます。しかしフランス語がわからず、聞き取れたのは「サバ」
このフランス人マチューの目的は亡き妻マリの遺骨を熊本の義父に届けることでした。義父は被災で心を閉ざしていました。
そんな中、被災地で一人の少女と出会います。
私的見どころ
田上くんの「ブルーシャトー」でフイタw熊本人なら知っている、いや全国的にファンが多い高級店です。
マチューがグルグル食べるシーン(グルグル食べたくなったー)
被災地でのコンテンポラリーダンス
私的推しセリフ
「あいつ5年も家に引き篭もったばってんね、今回地震があってから慌てて家から出て来たつたい。今じゃNPOば仲間と作って復興市ば開いてたいぎゃ働いとるてよ、やろー、地震は大変だったばってん、そぎゃんこともあっとだけんね、俺達も前向きに頑張らんといかんね」
「熊本キャッソ ホテルキャッソ カミトオリ シモトオリ ブルーシャトー」
「ばってんね倒れんかったとよ、あがん大きか地震にも負けんで熊本城は倒れんかったとよ」
「こん年までこん町で生きてきて家がなくなったとぞ、こん絶望ばお前どがんして助くっとか?」
「引き篭もりやったけど地震で出てきたっさい」
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傷ついた人々や倒壊した家屋、寸断された道路なと痛ましい場面が多数出てきます。そのような中でも、人々は優しくて懸命に前を向いていこうとしている姿に胸を締め付けられました。
瓦礫の前、倒壊した道路、阿蘇大橋、阿蘇神社、熊本城のコンテンポラリーダンスのシーンは見ているうちに涙があふれてきました。
震災では人々、生物、そしてそれらを守ってくれていた家屋、自然、道路、橋などが傷つきました。そしてコンテンポラリーダンスではそういう声なきものの叫びが聞こえたような気がしました。災害の苦しさ、そして再生への復興に向かう力強さをダンスから見ることができました。なんだろう、静かなのに力強いってすごい!!