恋の罪
2011年・144分・サスペンス
監督:園子温
園子温さんの作品を網羅していた時に観た衝撃の作品です。1997年に起きた東電 OL殺人事件が原案になっていると聞きました。
3人の女性がとにかくすごかった!!!
⚠以下ネタバレあります
1990年代、東京都渋谷区円山町のラブホテル街には、デリヘルや立ちんぼが客を求めて声をかけていました。
ある大雨の日、そのラブホテル街にポツンと建っている廃アパートと路地裏で女性の死体が発見されます。切断された人体にマネキンの手足が繋いであります。アパートの壁には血しぶきが飛び、血で「城」と書かれていました。廃アパートで見つかった死体は(後々わかりますが、汚れた部分を取り除くため)女性生殖器、クリトリス、大陰唇が切られ、両手両足も切断され、顔はありませんでした。その事件を追う刑事の和子は幸せな家庭を持ちながらもずるずると愛人との関係も続けています。
捜査を進めるうちに、大学のエリート助教授や、売れっ子小説家の妻いずみの秘密を知ります。
小説家の妻いずみは玉の輿ですが、夫の帰りを待つだけの毎日でした。いずみはスーパーでパートを始めます。そこでモデルのスカウトをされますが・・・
いずみは、デリヘル経営のカオルや大学で日本文学を教えている(!)美津子と出会います。
美津子はいずみを誘って夜のホテル街へ行きます。二人の男から声をかけられ、事件のあった廃アパートへ行きます・・・・
3人の女性が社会的にも安定した生活があるにも関わらず、とめどなく闇に堕ちていく映画です。
私的見どころ
- 刑事和子の愛人(;'∀')
- いずみが自宅で試食販売の練習をするシーン(まじで女優魂を見た!!
- いずみとカオルが出会うシーン。・・カオルの笑顔の中の猟奇的な目
- 自殺する女性の頼みで携帯をへし折るシーン
- 美津子の母
私的推しセリフ
- 「今日はえらくオスマシさんだ」
- 「売春のほうはうまくいってるの?」
- 「あなたもセックスという下品な行為に負けてはだめよ」
- 「あの子の下品な部分を切り取って閉じ込めてあげたのよ」
水野美紀さんや神楽坂恵さん、富樫真さんが脱ぎますがみなさん素晴らしいです。
正座しちゃいました。もし自分が脱げる女優だったとしても、この体当たりの迫力満点のすばらしい演技なんてできないだろうな(あたりまえ)
もーーー本当素晴らしい。
私的にこの映画のタイトルが「恋」ってところがなかなかシブいなと思いました。恋ってつくタイトルだと青春や純愛や片思いとか血を伴わない(鼻血くらい?)映像ってイメージなんですが。これはしょっぱなヌードだし殺人だし怖いしグロいし汚いしって感じで、恋って書いていいのか?って思っていましたが、なるほど恋だったって納得できました。うまく言えない。
サスペンスで、誰も幸せにならないお話でしたが、キャストさんや制作さんたちのパワーがあふれる素晴らしい映画でした。
余談ですが私、若いころ円山町の会社に勤めていたんですよね。あのラブホテル街もよくとおっていましたw懐かしい。